かすみ日記

株式投資に危険な月は・・・

投稿日:2008/12/25/ | カテゴリー:日記

弁護士  河野浩  
 
急転直下の不景気である。それもこれも、サブプライムローン問題に端を発する100年に一度とも言われる世界金融恐慌によるものだが、相場大暴落で痛手を負った方からの相談が目立つようになった。とくに、オプション取引や先物取引などのデリバティブ取引はレバレッジを効かせているだけに損失が大きかったようである(証拠金として差し入れた1億円全額を失ったという相談もあった・・・)。
金融商品取引は自己責任が大原則であり、リスクを取るところにリターンも生まれるのであるから、リスクが顕在化したからといってリスクだけは取りたくないというのは虫のいい話である。ただし、業者に食い物にされた場合のような例外的な場合は別である。このことをよくよく理解した上で取引をしなければならない。

 
ところで、金融商品被害の事件を受任すると、その金融商品の仕組み等について、書籍やインターネットなどで調べ物をするのであるが、一旦調べ始めるとおもしろくなってついつい余計なことまで調べてしまう。相場格言もその余計なことの一つであるが、人間の心理に大きく左右される相場取引に関しては含蓄に富む相場格言が古くから伝えられている。

 
有名なのは、
「人の行く 裏に道あり 花の山」
お花見のときに詠まれた一句ではない。古くから伝わる相場格言である。人と同じことをやってちゃあ儲けられないよという意。人生訓としても使えそう。

 
同じ意味の相場格言としては、
「野も山も 皆一面に弱気なら 阿呆になりて 買いの種蒔け」
江戸時代の相場格言。当時の堂島米市場の米先物取引は人類初のデリバティブ取引であった。そのときニューヨークなんて存在すらしていなかった。当時の日本人はナカナカのものである。江戸時代の相場格言にはほかにもおもしろいものやあやしげなものがたくさんある。
例えば、
「半値八掛け二割引」
要は相場の高値から、半値八掛け二割引(0.5×0.8×0.8=0.32)まで下がったら買えということらしい。インチキくさい格言である。ところが、海外でもフィボナッチ数というのがあって高値から61.8%下がったら買いということになっているらしい。双方とも経験則に基づくものであろうが、人知を超えた相場の奥深さを感じざるを得ない。

 
その他、気になったものとして、
「下手なナンピン、スカンピン」
うまいこと言うなあ。
「相場のことは相場に聞け」「まだはもうなり、もうはまだなり」
ここまでくると禅問答である。

 
当然、海外にもある。
「卵はひとつのカゴに盛るな」
分散投資のススメである。しかし、今回の金融恐慌のようにカゴを持っている人間がズッコケたら、カゴを分けても全部割れちゃうんじゃないの・・・とツッコミを入れたくなる。

 
「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感と共に消えてゆく」
ウォール街に伝わる格言。これほど市場参加者の心理をうまく表現した言葉はないと思う。ほんの1年前はあのリーマンだって幸福感の絶頂にあったのだから。バブル期の我が国もそう。

 
最後に僕の一番のお気に入りはこれ。 
「10月は株式投機を行うのには最も危険な月のひとつである。 その他特に危険な月としては、7月、1月、4月、11月、2月、6月、12月、8月、5月、3月、9月が挙げられる。」
マーク・トウェインの小説「間抜けのウイルソン」の一文。戒めとしたい。

 
2009年もどうぞよろしくお願いします。皆様にとってよい年となりますように。