法律相談ケーススタディ

一般民事事件 短気は損気~賃貸借契約終了時における建物明渡しの認定

 皆さんは、借家契約が終了し、建物を明け渡すときはどうしますか。家主に立ち会ってもらって、内部を確認してから建物明渡しに関する受領書を貰って終わりますね。

 

 でも家主とトラブルになって、顔も見たくないというときにはどうしますか。

 

 本件は、最終家賃を銀行振込で支払って、合鍵を家主に送付して、同じ手紙の中で敷金の返還を請求したところ、中々家主が敷金の返還をしないので、敷金返還請求の訴訟を起こした事例です。

 家主は、訴訟の中で建物の明渡しは未だ行われていないので、敷金返還どころか未払い家賃を請求するというのです。建物明渡し未了の理由は、建物の合鍵が3本あるところ、2本しか返還を受けていないので、建物の明渡しは未了だというのです。

 当方依頼者によると、家主から3本預かったのはその通りだが、1本亡くしたので2本は返却済みであるとのことでした。そこで借家契約については、通常合鍵は新規借主との間では取り替えるのが通常であり、当方所持の2本全部は返却済みである、1本なくしたら何時までも明渡しが完了しないというのは社会通念に反すると主張しましたが、担当裁判官(女性)は、合鍵が1本足りないのでは明渡しとは認められない、と言って聞きません。

 訴訟は結局、敷金の返還請求を諦め、双方が何も請求しないという和解で終了しました。

 これなどは、結局、短気は損気、いかに嫌な思いをした家主との間でも、立会い位はしておかないと、とんだしっぺ返しを食うことがあるという教訓となりました。

 

 通常、裁判事件では、お互いに自分の正当性を主張して争うことになりますが、僅かなミスが命取りになることもあります。

 最終決断の前に、専門家に相談した方が結局はスムースに安く解決しますので、御参考にして下さい。

                                       文責:根岸清一

カテゴリー:一般民事事件 更新日:2011/05/10/