よくあるご相談

一般民事事件

隣の家との地境について、隣人ともめているのですが、どうしたらいいでしょうか。

不動産は、多くの人にとって、一世一代の買い物で手に入れたものです。そのため、それぞれ思い入れも強く、当事者のみの話し合いで解決するのは難しいでしょう。また、問題を長年放置しておくと、土地の時効取得の問題も生じます。境界を確定する裁判、土地所有権の確認を求める裁判、調停の提起を行い、第三者を入れて早期の法的解決を図ることが、安全確実な手段でしょう。

部屋を貸したところ、借主が賃料を貯めたまま失踪してしまいました。
他の人に貸したいのですが、部屋内に残っている物を処分していいでしょうか。

非常に難しい問題です。借主が勝手にいなくなったのだから、部屋内の物を勝手に処分してもいいじゃないか、という理屈は、感情的にはよく分かります。しかし、部屋内の物は借主の所有物ですし、賃貸借契約を解除しない限りは、部屋の占有者は借主です。勝手に処分してしまうと、万が一、借主が戻ってきた場合に、損害賠償を請求されかねません。少なくとも、賃貸借契約を解除した上で、部屋の明渡(と未払賃料)請求訴訟を提起すべきでしょう。その先、残置物をどうするかは、費用対効果の判断になると言っていいと思いますので、弁護士と相談して決めてください。

自家用車を運転中、歩行者をはねてけがをさせてしまいましたが、調べてみると任意保険が切れていました。どのように対応したらいいでしょうか。

比較的多いケースです。民事上の問題に限って言えば、一般に、人身事故を起こした場合、被害者に対して、治療費、通院交通費、入通院したことに対する慰謝料、休業損害などの損害を賠償しなければなりません。その金額は、怪我の程度や入通院の期間等によって大体の目安が決まっていますので、その基準に従って支払いをすれば、大きな間違いはないでしょう。しかし、被害感情が激しく、交渉することが困難であったり、ごく稀なケースとしては、被害者が不当な要求を行うケースもあるので、自分で交渉するのは非常に難しいと言えます。弁護士と相談しながら話し合いをするか、弁護士に交渉を依頼したほうが、スムーズに交渉が進むでしょう。いずれにせよ、誠意は尽くすべきです。お見舞いも欠かさないようにしてください。

知り合いにお金を貸したのですが、返してくれません。回収する方法はありますか。

仲のいい友達に貸した場合や、貸したお金が少額の場合は、「貸した金はあげたものと思え。」で済むのですが、見過ごすわけにはいかない場合もあるでしょう。まずは、内容証明郵便で返済を求め、それでも応答がない場合に、訴訟を提起して判決を得たうえで、給料差押などの強制回収手段を行うことになります。但し、相手に差し押える財産がなければどうしようもないですし、差押まで行えば時間も費用もかかります。弁護士と相談し、どこまでの手段を取るのがベストかを考えてみてください。

街を歩いていると、若い女性から声をかけられたので、ついていったところ、事務所で高額な装飾品を買わされてしまいました。よく考えるととても返せない金額なのですが、どうしたらいいでしょうか。

典型的なキャッチセールスの事案です。特定商取引法は、このような訪問販売についてクーリングオフ制度を設け、契約書面受領日から8日以内であれば、無条件で解除できる旨を定めています。契約書面を渡されていない場合や、契約書面に大きな不備がある場合には、8日以内でなくても解除ができるのが原則です。クーリングオフにより解除する旨の通知を内容証明郵便で送ることになります。
契約書面を受け取って9日以上経っていても、契約した際の状況等によっては、消費者契約法等を使って解除できる場合もありますので、弁護士にご相談ください。

夫からの暴力(DV)に悩んでいます

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)に基づき、警察、配偶者暴力相談支援センターからの保護措置(一時保護等)を受けることができます。また、裁判所に対し保護命令の申立てを行い、自宅退去、接近禁止を発してもらうこともできます。さらに、DV自体犯罪ですから刑事告訴により夫を処罰してもらうことも可能です。民事上の請求としては損害賠償請求も認められますし、当然、離婚原因にもなります。いかなる理由があろうとも暴力は正当化できません。我慢しても何の解決にもなりません。即、ご相談下さい。

別れた恋人からのストーカーに遭って困っています

ストーカー行為は、ストーカー行為等の規制に関する法律で禁止されています。被害者からの告訴があれば、刑事手続により処罰することが可能です。また、警察は被害者の申出に基づき、警告、禁止命令を出すことができ、これに反した場合には、更に重い刑罰が課せられます。また、損害賠償請求により被害の回復を図ることも可能です。ストーカーは放置すると更に重大な問題を引き起こすケースがありますので、早めのご相談をお勧めします。

アダルトサイトの利用料として10万円請求されました。

(1)身に覚えのないとき
無視して下さい。大丈夫です。連絡をとってはいけません。

(2)利用した事実はあるが、金額に納得がいかないとき
契約どおりの金額を支払えばそれ以上支払う義務はありません。
それでも請求が止まない場合はご相談下さい。

(3)請求どおり支払ってしまった
本来であれば、支払う義務のないものを支払ったのですから、返還請求をすることができます。ただ、任意に返還してくることは考えにくいので法的措置をとる必要があります。

勤めていた会社をリストラされてしまいました。

整理解雇(いわゆるリストラ)が有効であるためには、(1)整理解雇の必要性、(2)整理解雇の回避努力義務、(3)基準及び選定の合理性、(4)労使交渉等の手続の合理性の全ての要件を充たすことが必要であり、これを1つでも充たさない整理解雇は無効となります。上記4要件を充たしているか否かは微妙な法的判断を含みますので、ぜひご相談いただければと思います。

来月から給料を3割カットすると言われました

労働条件の変更が、労働協約による場合には原則的としてこれに従わざるを得ません。就業規則の改定による場合は、その改定に相当の合理性(人件費の圧縮を図らなければ会社の存続が不可能な場合など)及び適正な手続を踏んでいること(労働者代表からの意見聴取など)が認められれば、労働条件の変更に従わざるを得ません。それ以外の場合は、会社の一方的な変更の申し入れに過ぎませんので、同意しない限り、会社の申し入れに拘束されません。従って安易に同意してはいけません。いずれにしろ、賃金は生活に直結する重大な問題ですので、直ちにご相談されることをお勧めします。

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刑事事件・少年事件

夫が朝の満員電車で痴漢と間違われ、そのまま逮捕されてしまいました。

ごく稀に、本当はやっていないのに痴漢と間違われるケースがあります。 疑われた人は、駅員室から警察署に赴き、そのまま身柄拘束されてしまうことが殆どで、家族は警察署からの連絡で知ることになります。
事情を知ろうにも、家族は、逮捕から3日間は本人と面会できないのが原則ですし、本人が否認している場合、勾留決定、接見禁止決定がなされ、面会できないまま身柄拘束が続く可能性があります。家族も辛いところですが、本人は家族と引き離されて厳しい取調を受け、やっていない痴漢を認めざるを得ない精神状態に追い込まれています。身柄拘束が長引けば、勤務先の心配も出てきます。
弁護人は、面会についての制限を受けませんから、面会して言い分を十分に聴き取り、各種の助言と応援を行うとともに、検察官と協議を行い、早期釈放を求め、無実を理由に起訴しないよう求めていきます。

逮捕されたまま起訴されたのですが、裁判に向けてすべきことはありますか。

検察官が裁判所に提出するのは、被告人に不利な証拠だけですから、何もしなければ、不利益な判決が出てしまう可能性があります。そこで、被告人側は、自分に有利な証拠を裁判所に提出する必要があります。その証拠選定を裁判に向けて行うことになりますが、被告人が起訴事実を認めているか、否認しているかにより、選定すべき証拠はやや違ってきます。認めている場合は、反省と、二度と同じ過ちを犯さない旨を理解してもらうことが重要ですから、きちんと示談を行い、今後の生活基盤を築くような手立てを講じることに主眼を置くことになります。否認している場合は、検察官の描く犯行経緯を崩すような証拠収集、具体的には目撃証言や物証などを独自に収集し、或いは検察官の証拠に矛盾点や不自然なところがないかを精査することになります。 また、長期間身柄拘束が続くのは精神的肉体的に過酷ですから、起訴後すみやかに保釈請求を行うことも必要です。

息子が窃盗事件を起こし、逮捕されてしまいました。

成人の場合、警察から検察庁に送致され、勾留の理由と必要があれば勾留決定がなされ、起訴不起訴の決定がなされます。少年の場合、検察庁に送致されるまでは成人と一緒ですが、その後必ず家庭裁判所に送致されます。勾留されている場合は監護措置決定がなされ、少年鑑別所に収容され、鑑別期間経過後に少年審判を開始するか否か決定されるのが一般的な流れです。
しかし、少年は心身共に未成熟で不安定な存在ですから、親元から離すことになる監護措置決定は、できれば避けたいところです。したがって、付添人の活動は、まず少年と面会して信頼関係を構築し、事情を十分に聴き取った上で、監護措置決定をしないよう家庭裁判所に求めることから始まります。その後は、少年の家庭環境等を整えるよう努力し、審判不開始決定を求め、もし審判開始決定がなされた場合は、少年側の様々な事情を処分に反映させるよう努めることになります。

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離婚手続き

夫との離婚を考えていますが手続を教えてください。

離婚する場合の手続には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚とがあります。ここでは調停離婚と裁判離婚について説明します。

(1)調停離婚とは、協議離婚が困難である場合に、家裁に調停申立てをし、調停委員が当事者夫婦の間に入り、話し合いによる解決を目指すものです。したがって、調停では夫婦間で離婚の合意がなければ離婚は成立しません。

(2)調停が不調になると、相手方配偶者に対して、離婚請求の訴えを提起することが出来ます(調停を経ずいきなり離婚裁判を起こすことは出来ません。これを調停前置主義といいます)。この場合は、民法770条1項に定められた離婚原因が必要で、裁判において離婚原因を主張、立証する必要があります。

離婚の際、相手にどのような請求ができますか。

損害賠償請求及び財産分与の請求が可能です。損害賠償請求の内容は、慰謝料請求が主なものとなります。慰謝料は、
[1] 有責性・背信性の程度
[2] 精神的苦痛の程度
[3] 婚姻期間
[4] 当事者の社会的地位・支払能力など
が考慮され算定されます。

離婚に至る経過は千差万別ですから相場というものはありませんが、認容額として多いのは200万円から300万円程度と言われています。財産分与は、夫婦が婚姻中に共同で取得した財産を清算し分配すること及び離婚後における相手方の生計を図る目的で行われます。共同で取得した財産を折半するのが原則ですが、諸事情により増減されます。

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親権・養育費

子供の親権について合意ができません。

離婚時に未成年の子がいる場合には必ず親権者を定める必要があります。親権者につき合意が出来ない場合には、親権者指定の調停あるいは審判の申立により親権者を定めることになります。また、裁判離婚の際には、判決で親権者が定められます。親権者の指定にあたっては、父母の心身状況、経済力、子供に接することが出来る時間の程度、子育てをするのにふさわしい環境にいるか等の親の事情及び年齢、性別、父母との関係、子供の意思等の子の事情が考慮されます。

養育費の取り決めはどのようにすればいいのでしょうか。折り合いがつかない場合はどうすればよいのでしょうか。

当事者間の協議により合意可能な場合には、後日の紛争を避けるため書面で約束しておくべきです。将来の支払義務の不履行に備えて公正証書で約束しておけばより確実です。当事者間での話し合いでは解決不可能な場合には、家裁での調停、審判により養育費が定められます。裁判所における養育費の算定には、当事者それぞれの収入、子供の数等に基づく一定の基準があり、この基準をベースに養育費が定められます。

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相続

長男が昨年急死しましたが、長男の妻はその後も家に残り、私の面倒をみてくれています。長男の妻に家屋敷を残してやりたいのですが、どのような方法がありますか。相続人としては二男がいます。

子の妻には相続権はありません。したがって、家屋敷を残してやるには生前贈与か、遺言によって遺贈するかの2つの方法がありますが、生前贈与をすると、逆にあなたが居住家屋につき弱い立場に立つことになりますし、多額の贈与税がかかるといった問題がありますので、遺言によるべきでしょう。ただし、あなたの相続財産の2分の1については相続人である二男に遺留分がありますので、二男の遺留分を侵害しない内容にしておく必要があります。
なお、婚姻、生計の資本として既に二男に贈与された財産がある場合には、遺留分の算定にあたって考慮されます。

父親が亡くなりましたが遺言書はありません。どのように遺産を分ければよいのでしょうか。

全ての相続人の間で遺産分割協議を行う必要があります(相続人が1人でも欠けると無効になります)。協議が整った場合には遺産分割協議書を作成しておくとよいでしょう(遺産が不動産である場合には、登記の関係で必ず遺産分割協議書を作成しておく必要があります)。協議が整わない場合には、家裁に遺産分割調停あるいは審判を求めることが出来ます。相続人の範囲、相続財産の範囲、評価、分割方法や寄与分、特別受益等につき争いがある場合には、解決までに長い期間を要することもあります。

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高齢者の財産管理

一人暮らしの母が認知症と診断されました。高額な布団を買わされたり、自宅のリフォーム契約をさせられたりしないか心配です。

判断能力が低下した人に対する、援助、保護の制度として、判断能力の低下の度合いに応じて、補助、保佐、成年後見の各制度が利用できます。家裁に補助、保佐、成年後見の申立てを行い、開始の審判があると、本人は行為能力が制限され、補助人、保佐人、成年後見人は、本人の締結した契約等を取り消すことができるようになるほか、本人を代理する権限等が付与されます。

成年後見という制度があるということは分かりましたが、将来、判断能力が衰えたときに、誰に、どのような援助を受けるか、前もって自分の思うように決めておきたいのですが・・・。

任意後見契約を結んでおくとよいでしょう。これは、本人(委任者)が援助を行う人(受任者)に代理権を与えて、自分の判断能力が不十分となった場合における財産管理等の事務処理を委任する契約です。この契約は、公正証書により締結する必要があるほか、後見登記をしておく必要があります。判断能力のあるうちに前もって、かつ財産管理を委ねる人や委ねる財産管理の範囲を自分で決めたいと思われる方には、この任意後見制度をお勧めします。

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破産

借金が多いので、破産したいのですが、何かデメリットはありますか。

「破産すると戸籍に載る、選挙権がなくなる」という間違った風評を耳にします。破産したからといって、戸籍には載りませんし、選挙権もなくなりません。

破産のデメリットは、
[1] いわゆるブラックリスト(信用情報)に登録され、今後5年~7年程度借金ができなくなること
[2] 官報、市町村役場の破産者名簿に掲載されること
[3] 資格制限(弁護士や司法書士、会社役員、保険外交員等の資格を失う。)
[4] 破産手続中は自由に引越、旅行ができないこと

が主なものです。

しかし、官報を読む人はほとんどいませんし、破産者名簿は公開されません([2])。また、資格制限にかからない人が大半ですし、資格制限の対象となったとしても、免責決定を受ければ「復権」します([3])。さらに、破産手続にさほど長い期間がかかるわけではありませんし、引越、旅行の許可を求めることもできます([4])。 従って、破産手続のデメリットは、大抵の人にとってはさほどのものではありません。[1]の点については、確かに困る場面もありましょうが、1度陥った借金地獄を考えれば、今後しばらく借りられないことをよしとすべきです。

借金の支払がきついのですが、破産はしたくありません。月々の支払金額を変えたいのですが、どのような方法がありますか。

[1] 任意整理 / [2] 特定調停手続 / [3] 個人再生手続
の3つの方法があります。

任意整理は、債務者(の代理人)が業者と交渉し、支払金額等の条件を変更するものです。通常、消費者金融や信販会社からの借入は、利息制限法所定の上限利率を上回る高利ですが、所定利率に引き直し計算を行ったうえで交渉しますから、借金の減額も見込めます(詳しくはこちらをご覧下さい。)
このような交渉を、裁判所を介して行う手続が、特定調停手続です。裁判所が、債務者本人で手続を進められるように指導してくれますので、自分で進められることがメリットでしょう。 個人再生手続については次項で説明します。

住宅を所有しているのですが、住宅ローンのほか、消費者金融からの借入もあり、毎月の支払が厳しい状態です。住宅だけは残したいので、破産はできません。どのような方法がありますか。

前のQ&Aと同様ですが、ここでは個人再生手続について説明します。
消費者金融からの借金について任意整理をしても、住宅ローンの支払と併せると支払が難しいというケースがあります。
このようなケースに有用なのが個人再生手続です。細かい点を省いて説明すると、個人再生手続は、借金総額(住宅ローンは除く。)の20%相当額又は100万円のいずれか多い金額を、3年間で分割弁済すれば借金の残額が免除される手続です。支払総額が大幅に減額されますので、任意整理や特定調停手続と比較して、最も有利な手続といえます。併せて住宅ローンの月々返済額、返済期間を再計画(リスケジュール)することもできます。
ただし、それなりの期間(6ヶ月程度)がかかりますし、自分で手続を進めることは難しいと思いますので、どの方法を選ぶかは、時間と費用との兼ね合いで決めることになります。ご相談ください。

ヤミ金融からお金を借りてしまいました。

ヤミ金融の貸付は、「トサン(10日で3割)」や「トゴ(10日で5割)」の利息を要求するもので、出資法に違反するものです。刑事処罰の対象になります。したがって、ヤミ金融からお金を借りたとしても、そもそも無効な貸付ですから、返す必要はありません(不法原因給付)。ただし、自分で対応するのは事実上不可能ですから、すぐに弁護士、警察署に相談してください。

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